高齢者や障がい者の方にも利用できる宿泊施設を!
父の事故がきっかけに
私が那須のログハウスを民泊としてオープンしたのは、2017 年、突然の交通事故により70 代の実家の父が要介護5の状態になったことがきっかけです。
父はもともと社交的で老後もとても活動的に過ごしていました。那須の別荘もしゃっちゅう訪れていて、友達を招いて食事会をしたり、近所の方と演奏会を開いたり、私自身そこまで社交性の高いほうではないので、父のコミュニケーション力に驚かされていました。ただ、そんな生活が父の事故で一辺します。
脳へのダメージの後遺症で、やっと立てて歩ける状態、あまり話すこともできなくなって、旅行はおろか、近所にも一人ではいけない毎日……。自由は大きく制限されました。
もうお金があっても意味がないね……
ある時、母がふと言いました。
「今まで共働きで一生懸命やってきたから、2人分の年金も入るしお金にある程度の余裕はある。でも、旅行にも食事にも思うようには行けなくなって、もうお金があっても意味がないね……」
その言葉を聞いて悲しかったし、要介護者と家族にとって普通に旅行することがいかに大変かということを考えさせられました。また、家族である母にとっても、旅行という楽しみが人生から遠のいてしまったことにも見ていて辛かったです。
そして私は父のログハウスを足の悪い方でも過ごせるような民泊にすることを決意します。
車椅子でも利用できる施設というのは、リフォームも大がかりでスペースの問題もあり難しかったのが残念です。ただ、段差をスロープにしたり、手すりをつけたりして、障がい者の父でも利用しやすい施設にすることができました。
私のうちと同じような、足が不自由で生活が制限されたご家族はたくさんいらっしゃると思います。そんな方たちに私の宿をご利用いただけるとありがたいです。